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心理的安全性の罠「ぬるま湯組織」から脱却するために重要なこと

  • 執筆者の写真: Sachiko Kakiuchi
    Sachiko Kakiuchi
  • 4月1日
  • 読了時間: 5分

更新日:3 日前


心理的安全性の罠

職場が『ぬるま湯』になっていませんか? 心理的安全性が高いはずなのに、なぜか停滞感がある…そんな経験はありませんか?


今回は、当社も含め、多くの企業が推進する『心理的安全性』の落とし穴について、本音で考えてみます。


心理的安全性が高い組織を実現するために行う施策:オープンな会話、雑談の場、イベント、懇親会、1on1……手法はさまざまですし、それ自体に意味はあります。


しかし、それらの活動が“目的”から離れ、ただの「心地よい場づくり」になってしまったとき、組織は危うさを孕みます。


今回はそんな「心理的安全性の功罪」について、深堀りしてみることにしました。


心理的安全性の「功」と「罪」


【功】良い方向に働くと…

  • アイデアが活発になる:「変なこと言ったらどうしよう」から解放されて、自由に意見が出る

  • 学習する文化が育つ:ミスを認めやすく、そこから学ぶサイクルが回る

  • エンゲージメントが高まる:自分の意見が尊重される感覚で、会社に対する帰属意識が強まる


【罪】悪い方向に働くと…

  • 「甘え」や「馴れ合い」が助長される:責任の所在が曖昧になり、誰も踏み込まない

  • 成長意欲のない人が居心地良くなりすぎる:変わらない・変えようとしない空気、現状維持に甘んじる

  • 実力主義の否定につながることも:ダメなやり方や人に対して、誰も「NO」を言えなくなる


つまり、“心理的安全性”が、本来あるべき批判や改善を妨げる状態になってしまっていることこそが、リスクなのです。これはもう、心理的“安全”ではなく、心理的“停滞”とも言えるでしょう。


そして気づけば、心理的安全性があるからこそ起こるべき「健全なぶつかり合い」「違和感を出し合える場」は失われていきます。


会社をよりよくする目的で心理的安全性を高めようとしたにも関わらず、ぬるま湯組織を作り上げてしまっては本末転倒です。


極端な事例とよくある事例


仮に、「仕事ができない組織」で心理的安全性が高くなるとどうなるでしょうか?


全員が遠慮なくダメな提案をし、それが誰にも止められずに実行される組織になる可能性があります。


例えば:

  • 「このExcelファイル、300シートくらいに分けたほうが見やすいんじゃない?」→「いいね!やってみよう!」

  • 「メールの件名に全部本文書いて送ったら、開かなくて済むかも!」→「それ天才かも!」

  • 「このシステム、3日で作れませんかね?」→「いや無理でしょ〜(笑)」→「でもやってみよう!」


このようなノリが全開になります。なぜこれらの提案がダメなのかは検証されず、とにかく実行されてしまいます。


さすがにこれは極端な事例です。しかし、このような状況にならなくても、多かれ少なかれ、下記のような空気を経験したことのある人はいるのではないでしょうか?


  • 思いつきで発せられたアイデアに違和感を抱きつつ、「面白いですね、やってみよう」と賛同する。

  • 「非効率すぎない…?」と毎回思いながらも、「前からそうだから」と無理やり納得する。

  • 会社の取り組みに成果が出ていないと気づいても、「楽しんでる人もいるし、自分だけ言うのもな…」と沈黙する。

  • 「これは○○さんの案件だからなぁ…」と察して、“触れないのがマナー”になってしまっている。

  • 「実行すること」が目的となり、成果検証をしない。ふんわり「やってよかった」を継続する。


業務改善の意識がなければ、会社は「ポンコツなまま楽しく仲良しな地獄」になるかもしれません。


心理的安全性には、「目的志向」「プロフェッショナリズム」がセット出ないと、本来の価値を発揮しないのです。


「安心して意見を言える」だけではなく、「目的に沿ってるか?」「成果につながっているか?」と適宜問える土壌があるか。これらが心理的安全性を高め、よい組織運営をするためのカギなのではないでしょうか。


心理的“危機感”も、組織には必要


心理的安全性は、目的ではなく“手段”です。組織が成長し、社員がプロフェッショナルとして活躍するために、率直にフィードバックし合える文化が必要なのです。


そのためには、ときに心理的“危機感”も必要かもしれません。


「これって本当に意味ある?」 

「私たちは目的に向かって進めている?」

「表面的な心地よさに甘えていない?」


こうした問いを、誰もが遠慮せずに投げかけられること。 さらには、“社員から上司・経営陣へ”も遠慮や忖度なく向けられる場面が重要なのではと考えます。


本当の心理的安全性とは、立場が上の人に対しても疑問や意見を伝えられる風土です。


上司や経営陣には、「生意気だ」「自分勝手だ」と思われかねないような声にも、真摯に耳を傾ける度量が求められます。


意見を上げる社員側もまた、ただの不満や批判で終わらせてはなりません。建設的に組織の目的に貢献しようとする視点を持つこと、根気よく論理的に説明することが必要です。


つまり、社員には上司や経営陣に対しても臆せず意見を言う“勇気”と、会社をよりよく変えたいという“視座”“覚悟”が求められます。


忖度や遠慮をせず、「自分たちの会社を一緒につくる」という当事者意識こそが、心理的安全性を生きたものにする鍵です。


この文章が、心理的安全性を考える人にとって、気づきや改善の行動を起こせるきっかけになれば嬉しいです。


少しの“心地よい違和感”こそが、チームを前に進める原動力になるはずです。


この記事を読んで、あなたの組織に少しでも『違和感』を感じたなら、まずは身近な人と率直に話し合ってみてください。


小さな違和感が、組織を変える大きな一歩になるかもしれません。


 




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