新卒で就職活動しているあなたにお伝えしたいこと。就活「売り手市場」の落とし穴
今回は「売り手市場の落とし穴」というテーマでお話ししたいと思います。株式会社日昇にプレエントリーしてくださった方向けのメルマガに掲載した記事です。多くの就活生に読んでもらいたい内容なので、加筆・修正してブログにて公開します！
就職活動をしている学生さんは「今は売り手市場でいいよね！」とか「就職先に困らないでしょ？」などと、社会人の方から声を掛けられませんか？私の見聞きする中では、よくある話です。 言われた方は返事に困りますよね、笑。採用担当者は毎年の情勢を知っているからこその会話。でも新卒者の就職活動は、通常1回きりです。他の年と比べてどうとか、学生さんからはわからないですもんね。それに、売り手市場だからといって行きたい会社に入れる、行きたい会社が見つかる、とは限りません。（私自身も話の流れで、つい言ってしまうのですみません！） ただ、実感がない中でも心に留めておいてほしいことがあります。 新卒の就職活動中は、あなたが比べられるのは同学年のみです。しかし、働きはじめるとライバルは社員全員。入社年や新卒・中途採用の違いなんて関係なくなります。
嫌な話で申し訳ないのですが、あえて極論を言いますね。 就職しづらい年に入社した人は少ない採用枠の中から選ばれていますですから、就職しやすい年に入社した人より能力が高い傾向にあります。また、なかなか内定が出ず就職活動に苦労した人のほうが、仕事に対しての緊張感を持ちやすく真剣さの度合いが高いです。あなたの能力とは関係ないところで、就職活動のタイミングによって入社後のスタートラインが違うんです。
全体としての話なので、個々の置かれた状況は考慮されていません。言いたいのは「就活で苦労した人ほど入社後に報われやすい」「就活で得をした人ほど入社後に苦労しやすい」傾向にある点です。
内定をもらっている方も、現在進行系で就職活動している方も、この機会にあなた自身の就職活動を振り返ってみてください。就職活動では大変でしたか？それとも楽勝でしたか？
私の経験として、入社後の事例ですが、似たような話をご紹介します。 私は前職で車の営業をしていました。
車業界って景気の影響をダイレクトに受けやすいんです。景気が良かったり、ヒット商品が生まれたり、の要因で車のよく売れる年があります。その年は比較的、入社1年目の新入社員でも楽に車が売れるんです。順調に仕事が進むので、自分に営業スキルが身についてない事実に気づけません。後輩に成績を追い抜かれて悩み、数年後の不景気が訪れた際に挫折していました。
不景気であったり、ヒット商品が生まれなかったり、の要因で、1台を売るのに大変苦労する年があります。その年の新入社員は1年目は非常に苦労してもがきます。必死に勉強し、先輩から教えを乞い、スキルアップに努めます。結果、2,3年目に頼もしく育った人を私は何人も見てきました。
人生山あり谷あり。どのタイミングで楽をして苦労するかは人によって違います。しかし誰もが通る道なのでしょうね。
大げさに聞こえるかもしれませんが、就職活動から入社1年目にどのような環境で過ごすかによって一生の仕事のやり方や姿勢が変わってきます。数年後に目に見えるほどの実力差がついてしまうんですよ。
私自身、20代前半に深く悩み考えた経験が、現在の職業観の形成に大きく影響しています。これは一生の財産です。当時は落ち込むこともありましたが、今では「あの時代にたくさん悩み試行錯誤できてよかった！」と思っています。
「景気がよい」とか「売り手市場」と言われる環境で実感がないまま就職活動をし、社会に出るみなさん。「買い手市場」の中で就職をした私から見ると、おせっかいかもしれませんが、実は少し心配です。
環境や時代の良し悪しをみなさんは選べません。しかし、どんな状況であっても、成果を出せる人、出せない人がいます。この違いは何でしょうか？
私は、変えられない社会情勢を嘆くよりも、変えられる自分自身に気づくことではないか、と考えています。気持ちを引き締めて、少しだけ意識転換の努力をしてみてください。
就職活動の最終目標は「会社に就職すること」でなく「社会に出て活躍すること」。「超売り手市場」といわれたバブル世代がリストラ対象になっている話題、最近のニュースでよく見かけますよね。しかし、バブル世代だって優秀で社会や企業に必要だとみなされる人はたくさんいます。時代や環境に流されず、自分を磨き続けている方は多いと思います。要は自分がどちらに属するか。30年後に笑っているか泣いているかは、今の自分の行動と心がけ次第なのではないでしょうか。
目先の出来事だけにとらわれず、就職後に活躍する姿を思い浮かべて、今の課題をひとつひとつクリアしてみてくださいね。
